荻野教授は学習院大学・阿形教授、国立遺伝学研究所・豊田特任教授らのグループとの共同研究によって、組織再生や神経生物学において重要な実験モデルであるプラナリアのゲノム配列を解読しました。

プラナリアは扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する生物で、身体を三分割しても完全な個体が再生される驚異的な再生能力を持っています。阿形教授らはこの生物を用いた再生研究を精力的に進めており、今回、東アジアに広く分布するプラナリア(Dugesia japonica)のゲノム配列を決定しました。本論文では神経形成に関わるndk(nou-darake)遺伝子に注目し、アフリカツメガエルを用いた実験によってndk遺伝子の発現調節因子と脳形成に関わるメカニズムが脊椎動物と非脊椎動物間で広く保存されていることを明らかにしました。

本成果は日本動物学会の新しいオープンジャーナル、Zoological Lettersに掲載されています。

An Y, Kawaguchi A, Zhao C, Toyoda A, Sharifi-Zarchi A, Mousavi SA, Bagherzadeh R, Inoue T, Ogino H, Fujiyama A, Chitsaz H, Baharvand H, Agata K. 2018. Draft genome of Dugesia japonica provides insights into conserved regulatory elements of the brain restriction gene nou-darake in planarians. Zool Lett 4:1–12.