荻野 肇

センター長

両生類研究センターの歴史と研究・教育について

 本センターは昭和42年に設立され、トノサマガエルやアマガエル,ツチガエル等を用いた人為倍数体や種間雑種の研究、色彩変異や性決定機構の研究、さらには西南諸島からアジア、アフリカに分布する絶滅危惧種の保存や種分化の研究等に関して業績を挙げてきました。またライフサイエンス研究に汎用されるツメガエル(ネッタイツメガエル及びアフリカツメガエル)を用いて、生殖や卵形成、発生、再生、変態、進化、内分泌撹乱物質等について研究を実施し、顕著な業績を挙げてきました。現在はゲノム編集やバイオインフォマティックス等の先端技術を駆使して、発生や再生、進化等の先鋭的基礎研究を実施すると共に、それらを基盤として医学との学際的融合分野の創生をめざしています。iPS細胞開発のもとになった「リプログラミング」のアイデアが、ツメガエルを用いた研究から生まれたように、両生類を用いた生命原理の発見とその哺乳類への応用は、基礎から応用への研究展開においてコストパフォーマンスの高い強力な戦略になります。

 これらの研究に加えて、研究用リソースの収集・保存・提供事業においても、国内外において中核的役割を担ってきました。本センターは、米国ウッズホールのNXRや英国ポーツマス大学のEXRCと並ぶ、世界の三大両生類リソース拠点の1つです。現在、絶滅危惧種や突然変異系統、遺伝子改変系統等を含む約66種類500系統、総数約3万匹を飼育維持しており、これらはゲノム研究が加速しつつある現在、世界的に重要な遺伝子資源となっています。平成14年度からは、文部科学省のナショナル•バイオリソース•プロジェクト(NBRP)中核的拠点整備プログラムの代表機関として、ライフサイエンス研究の国際標準となっているネッタイツメガエルを内外の研究者に提供しています。

 教育に関しては、理学部•研究科の生物科学科•専攻の協力講座として、学部生や大学院生の授業や研究指導を担当しています。本センターに広島大学の大学院生として進学をご検討の方は、どうぞ気兼ねなくご連絡下さい。また社会へのアウトリーチ事業として、1階の生体展示コーナーを一般に無料開放しており、毎年約700名の訪問者を迎えています。夏休みの自由研究の為に、本センターを訪れる小学生とそのご父兄の方々もおられます。中学や高校のご見学に対しても、可能なかぎりご協力させていただいております。平日の10:00〜17:00の間、自由に入館できますので、皆様お気軽にお越し下さい。

(両生類研究センター・センター長 荻野 肇)