発生再生シグナル研究ユニットの卒業生・中村 誠(現米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校・博士研究員)、大学院生・京田竜弥、鈴木 厚准教授らは、ツメガエル幼生を用いて、TGF-βリガンドの一つであるInhibinβA(アクチビン)が組織再生に重要な細胞増殖に必須であることを発見しました。幼生の尾部には神経や筋肉組織が含まれており、本研究チームでは、尾部の切断後まもなくTGF-β1リガンドが働いてJunB転写因子の発現を誘導することで細胞増殖を引き起こし、神経・筋肉の再生が進行する機構を明らかにしています(Nakamura et al. 2020, 2021)。今回の研究では、JunBの発現とほぼ同時期にInhibinβAが発現し、JunBとInhibinβAが協働して細胞増殖を促進する新しい組織再生機構を発見しました。この研究成果は、国際学術雑誌Scientific Reportsに掲載されました。
Nakamura M, Kyoda T, Yoshida H, Takebayashi-Suzuki K, Koike R, Takahashi E, Moriyama Y, Wlizla M, Horb ME, Suzuki A. Injury-induced cooperation of InhibinβA and JunB is essential for cell proliferation in Xenopus tadpole tail regeneration. Sci. Rep. 2024 Feb 14;14(1):3679. doi: 10.1038/s41598-024-54280-w.