進化発生ゲノミクス研究グループの大学院生の坂口裕介さんと井川准教授が筆頭著者の論文がDevelopment Growth & Differentiation誌に掲載されました。ツメガエルは発生研究に重要なモデル動物です。しかし、その胚が卵黄を多量に含み不透明なため、蛍光タンパク質等を用いた3次元イメージング解析は、胚の表面構造や、培養組織片、胚発生が終了した後のオタマジャクシに限られてきました。この問題を解決するため、本研究では、まず熱耐性を持つヒト胎盤型アルカリホスファターゼ(PLAP)を、組織特異的なプロモーターを用いて目的組織で発現させ、熱処理により内在のアルカリホスファターゼを失活させた後、アルカリホスファターゼの基質を反応させて目的組織を染色する方法を確立しました。次にこの方法で処理した胚の連続切片を自動撮影し、コンピューター上で標的組織の立体像を3次元構築することに成功しました(Correlative Light Microscopy and Block-face Imaging (CoMBI) method)。以上の「PLAP-CoMBI法」は、ツメガエル胚において、従来の蛍光タンパク質を用いる方法では成し得なかった3Dデジタルイメージングを可能にするものです。
Sakagami, K., Igawa, T., Saikawa, K., Sakaguchi, Y., Hossain, N., Kato, C., Kinemori, K., Suzuki, N., Suzuki, M., Kawaguchi, A., Ochi, H., Tajika, Y., & Ogino, H. (2024).
Development of a heat-stable alkaline phosphatase reporter system for cis-regulatory analysis and its application to 3D digital imaging of Xenopus embryonic tissues. Development, growth & differentiation, 10.1111/dgd.12919. Advance online publication. https://doi.org/10.1111/dgd.12919