進化発生ゲノミクス研究グループの大学院生のBaugs Priambodoさんと井川武准教授らの研究成果を発表した論文が、2025年度 Zoological Science Award(動物学会論文賞)に選ばれました。
Zoological Science Awardは、年度内に学術雑誌Zoological Scienceに掲載された論文のうち、優れた研究に対して贈られるものです。

Zoological Science編集委員会より推薦された数多くの論文のうち、5つの論文の中の1つとして授与されました。

下記の通り講評されましたので、原文を引用掲載いたします。

本研究では、温泉ガエルとして知られるリュウキュウカジカガエルB. japonicaおよび同属の複数種のオタマジャクシについて、異なる温度環境における長期の耐熱実験を実施した。その結果、B. japonicaは同属他種よりも高い耐熱性を示し、特にセランマ温泉の集団が高い生存率と発生速度の促進を示した。しかし、35℃以上では変態を終えるまで生き延びることができなかった。また、発生が進むに伴って高温志向性が低下することも示され、高温耐性は実際には発生中の一時期に限られる可能性が示唆された。これは温泉ガエルの高温適応に関して新たな知見を与える研究であり、高く評価された。

 

Priambodo B, Shiraga K, Harada I, Ogino H, *Igawa T, Long-term heat tolerance and accelerated metamorphosis: Hot spring adaptations of Buergeria japonicaZoological Science.

https://doi.org/10.2108/zs240011